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マンションを適切に維持管理するために 第4回
マンション管理
2025年1月24日
マンションを適切に維持管理するために、建物・設備の基礎知識を紹介していきたいと思います。
第4回 マンションの維持管理と法定点検について
■ はじめに
マンションは竣工時から時間の経過とともに、劣化が進行していきます。劣化した部分を無計画に都度修繕していく維持管理では、大切な共有財産の大きなロスになる傾向があります。そうならないように長期修繕計画という維持管理の基本方針を作成し、共有財産を有効活用出来るように、計画修繕を行っていくことが重要になります。
■ マンションの維持管理
高経年のマンションでは、管理組合の運営上の問題として、役員の担い手不足や賃貸化・空き家化による組合活動などが困難になっています。また、建物の維持管理上の問題として、外壁等の剝落や給排水管の老朽化などで、財産に及ぼす影響が懸念されています。
このような管理不全に陥らないために、日ごろから管理組合を中心に計画的な管理や適切な修繕を行っていくことが重要です。
ご自身のマンションは適正な維持管理が出来ているか、確認してみましょう。
〇 管理者等が定められている
〇 監事が総会で選任されている
〇 総会が開催されている
〇 管理規約等が作成されている
〇 管理費と修繕積立金が明確に区分して会計処理されている
〇 長期修繕計画が作成・見直しされている
〇 計画期間が30年以上で、大規模修繕工事が2回以上含まれる計画になっている
■ マンションの法定点検
法定点検は主に7つの種類があります。
① 特定建築物定期調査(建築基準法 3年/回)
マンションの敷地及び地盤、基礎や外壁などの構造、設備などに問題が無いかを調査し
ます。
② 建築設備定期検査(建築基準法 1年/回)
換気設備、排煙設備、非常用照明設備、給排水設備を検査します。
③ 昇降機定期点検(建築基準法 1年/回)
エレベーターの機能全般を点検します。
④ 消防用設備点検(消防法 6カ月/回)
外観点検と簡易操作によって、消防用設備を確認する機器点検と、消防用設備を作動させ
てその機能を確認する総合点検を行います。
⑤ 簡易専用水道管理状況検査(水道法 1年/回)
受水槽の有効容量が10立方メートル以上の場合、水質検査と受水槽清掃が必要となりま
す。
⑥ 専用水道定期水質検査(水道法)
「受水槽100立方メートル以上」「1日の最大給水量が20立方メートル以上、居住人口が
101人以上」「口径25ミリメートル以上の導管の全長が1,500メートルを超える」のいず
れかに該当する場合、色・濁り・残留塩素の検査を毎日、水質検査(水質基準による検査)
を月1回以上、受水槽清掃を年1回以上する必要があります。
⑦ 自家用電気工作物定期点検(電気事業法)
受変電設備を所有しているマンションの電気設備点検は、1年に1回の年次点検と1~2
ヶ月に1回の月次点検があります。その場合、管理組合は電気主任技術者を選任しなけれ
ばなりません。
■ まとめ
法定点検及び保守点検は実施したから「良し」ではなく、それを維持管理のために有効に役立てることが重要です。適切な点検と維持管理を行うことにより、マンションを長く快適に使用できるようにしていきましょう。
また、点検や維持管理に要する費用は、委託先の会社ごとに様々です。各内容を確認するとともに、費用も1度見直ししてみてはいかがでしょうか。
さて、4回にわたり「マンションを適切に維持管理するために」をお話しさせていただきましたが、今回で最終回となります。マンションを100年以上使用するために、適切な維持管理を実施してみてください。