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「空き家問題」を知らず知らずのうちに、抱えてしまった方たち
家族信託
2024年9月17日
前回、法定後見人制度を利用された人のケースを見てみましたが、今回は「空き家問題」を知らず知らずのうちに、抱えてしまった方々のケースを見てみたいと思います。
老人ホームに入居した高齢者 ケース②
日常生活に介護が必要で、老人ホームに入居している高齢女性(姉)は、独身で、かつては50坪ある土地・家屋に住んでいた。しかし長年の不在で、古い家屋が廃屋同様な風合いで、劣化がひどく近隣者の苦情もあがったことから、暴風雨などで、公道側にはみ出して来ないようネットで覆いなどをされていた。
老人ホームに入居して以降は、面倒見に時折来ている高齢女性の(妹)やその姪っ子などはいたが、その高齢女性の家の問題は、知らず知らずのうちに過ぎてしまっていた。
もう住まなくなってしまった高齢姉妹の生家だった家だが、高齢女性(姉)からすると親の代からの家なので、土地を売却したくない気持ちが強く、そのような希望を高齢女性の(妹)や姪っ子に対して「望みを託したい」と言うようになっていった。
このような空き家の対策は、実際に空き家を相続するまで建物・家財道具に手が出せず、相続開始してから、管理し始める方々が多い為、土地を活かすというよりは、売却困難な土地に維持費を掛かけ、税金を払い続けながら、何とか売却までに漕ぎつけた、というようなケースになることが多い。売却できなければ、「空き家」を保有し続け、長い間の税負担を強いられる。
上記のようなケースは、高齢者人口が増えてくる現代社会において、直面する場面が出てくると思われるが、2015年5月から施行されている空き家対策特別措置法も、さらに2023年6月に改正された。背景には、1998年に空き家182万戸が、2018年に349万戸と、20年間で急激に1.9倍に膨れ上がり、2030年には470万戸を予想されている。法改正はこういった現状に対応したものだ。
しかしながら、空き家対策特別措置法は、事後的な解決方法であり、空き家対策を考えるならば、事前解決型の対策が、必要になってくるのだろうと思われる。
【空き家問題の解決のために ※”家族信託”を利用する方法】
①高齢女性(姉)(委託者)の存命中に (相続開始前に)
②高齢女性(姉)に代わって (高齢女性(妹)・姪っ子(受託者)に)
この空き家を、より収益性(賃貸物件など)のある物件に運用・管理してもらい
③高齢女性(姉)(受益者)に受益還元し、
相続後の事を考えて、高齢女性(妹)・姪っ子を後継利用者(第2受益者)に指定し、
④さらに、運用を続け、改築・リフォーム等により付加価値を高める
※そのほか別途、高齢女性(姉)の意思能力のあるうちにおいては、本人の身上監護を
できるようにする事を考えて、任意後見契約を取り交わすなど。
注1)身上監護とは・・・成年後見人が対象者の代わりに、生活・医療・介護などの
手続きを進める法律行為をいいます。
上記のように「空き家問題」への取り組みを、早いうちにスタートする方が、高齢女性(姉)の希望を取り入れつつ、それを解決する方法が、”家族信託”という仕組みにある事を、是非みなさんに知って頂きたいと思います。
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